日本板硝子は、その規模においても、財務内容においても、世界No.1の板ガラスメーカーを目指していきます。逆に言えば、今回はそのための「統合」だというわけです。もちろん、CSRへの取り組み、品質管理や環境・安全への取り組みにおいてもナンバーワンを目指していきます。
ガラス産業には成功するための2つの要素があります。一つは、いかにイノベーティブな技術・製品が生み出せるか。もう一つは、顧客満足(CS)が得られるよう、その技術・製品のクオリティを磨き上げるスキルを有しているかどうか。
ピルキントン社はまさに独創性のある商品開発、技術開発に優れた会社です。たとえば、アモルファス型の太陽電池にはガラスが基板として使われますが、ピルキントン社は溶解、成形直後の高温状態のガラスに導電膜を付けるオンラインCVD法という独自技術を開発しました。従来のように、ガラスを冷やした後に、膜を付けるために再加熱するという必要がないので、省エネルギー、ひいてはCO2の削減に効果があるという優れた技術なのですが、この技術については日本板硝子が日本の高いユーザー・ニーズに対応できるよう、さらに応用開発を続けて磨き上げ、逆にこの技術をピルキントン社にフィードバックしたという経緯があります。このように画期的・革新的な技術を創造する能力に長けたピルキントン社とユーザー・ニーズに合わせて、精度を上げ、性能を高める、コストを下げる、品質を安定させるといったいわゆる「モノづくり」の能力に長けた日本板硝子の統合は最良の組み合わせであり、両社の強みを活かしていくことで、より高レベルの価値を提供することが可能となりました。この強みを是非とも「環境に一番優しいガラスづくり」にも発揮していきたいと考えています。
*千秋の父親が社長を務める日本板硝子のHPより